船を作る
9歳の子どもが「船をつくりたい」と言い出した。絵から 3D 設計、模型での浮力テスト、材料の調達、木の加工へ。うまくいかないことをくぐりながら、少しずつ進んでいる活動の記録。
このプロジェクトは進行中(draft・準備中)。記録を少しずつ書き足している。
きっかけ
9歳の子どもが「船をつくりたい」と言い出した。 そこから、午後の「好きなこと」の時間で、船づくりが始まった。
描いて、設計して、模型で試す
まず絵を描いて、いくつかの案をデザインした。 実現できそうなアイデアを 3D CAD で設計し、3D プリンタで小さな模型を作ってみる。 できた模型はキッチンのボールに浮かべて、浮力をたしかめた。
一度で決まったわけではない。最初の模型を直し、三つめの印刷で、ようやく形になった。 その船を目で見て、設計を決めた。 はじめは漠然と「船」と言っていたが、竜骨・肋骨・補強材が、それぞれ厚みをもって三次元で組み合う様子まで、現実に想像できるようになっていた。
材料を見積もり、調達する
三次元の設計から、平面の板をどう切り出すかを mm 単位で計算する。 流通している規格に合わせるなら、何を何本買えばいいか。 予定を立てて、ホームセンターで実際に木を選び、運んで買った。 調達も、それだけで一苦労だ。
木を刻む
持ち帰った木材を並べ、一本ずつ墨付け(線を引くこと)をしていく。 分度器を使い、三本の木に寸分違わず同じ線を引くにはどうするか、と頭を悩ませる。 やり方を教わり、すぐに手を動かして、自分のものにしていく。 紙やコンピュータの上で線を引くのと、実物を触るのとでは、勝手がちがう。
組んでみて、つまずく(いま、ここ)
刻んだ木で、実際に骨組みを組んでみた。 すると、竜骨と肋骨を組み合わせたところで、手が止まった。 竜骨の長手方向に肋骨を固定する工夫が、設計に入っていなかったのだ。 肋骨は竜骨の上を滑り、倒れてしまう。
これは、3D プリンタで模型を作ったときには気づかなかったことだった。 模型を組んだときは、テープで留めて「組み上がったことにして」進めてしまい、 本当に組み付けられるか、という確かめが足りていなかった。
設計で楽をすると、ものづくりで苦労をする。
とはいえ、設計の精度をどこまでも上げようとすれば、それはそれで際限がない。 そのバランスの取りどころが、思いのほか難しい。 図面の上での「できる」と、実物での「できる」は違う。 理論と実践の隔たりの手前で、子どもはいま、その難しさに触れている。
進め方について
「船をつくる」という課題は、そのままでは大きすぎて手がつかない。 だから、設計する・模型で試す・材料を見積もる・木を刻む・組んでみる、と解ける大きさに切り分ける。 今回、その切り分けは親がやった。 この段取りを何度もくぐるうちに、子どもは自分で問題を割れるようになっていく。
滑る肋骨も、倒れる骨組みも、それ自体は行き止まりではない。 やめずに次の工夫へ向かうかぎり、どれも試行錯誤のひとこまだ。 記録はここまで。組み付けの工夫から先は、進んだぶんだけ書き足していく。